中島翔哉のカタール移籍は実はベストの選択だったのではないか

中島翔哉カタールのアル・ドゥハイルに移籍する事が決まった。

ポルティモネンセで17-18シーズンは29試合で10ゴール10アシスト、18-19シーズンは13試合で5ゴール5アシストと大暴れし、欧州のビッグクラブへの移籍が期待されていた。だが、移籍期間中に突如カタールクラブへの移籍が噂され、プレーするポルトガルリーグよりも格下の中東クラブへ行ってはステップダウンではないかという失望感が広がった。一時はアリ・ドゥハイル経由でパリ・サンジェルマンに行くのではと話題になったけど、その線ははありえないという記事まで出て、いよいよ今日の発表となった。

だが本当にこの選択は失望されるようなものなのか。中島翔哉がアリ・ドゥハイルに移籍することのメリットを考えてみた。

  • お金

移籍金が44億にものぼるとされるけどこれはクラブ間で動くお金の話。年棒は明らかにされていないけどUAEのクラブに移籍した塩谷司年棒が2億とされているので勝手な推測だが、同等かそれ以上はもらえるのではないだろうか。ブログでも触れられていたけど家族やこれからの生活を考えると現役のうちにたくさんもらえるに越したことはない。当たり前か。

  • W杯開催国リーグへの移籍

ビッグクラブやCL出場可能なクラブへの移籍は叶わなかったものの、W杯出場への道は閉ざされたわけではない。先日のアジア杯で開催国のUAEでプレーする塩谷が急遽選出されたことは記憶に新しいが、大会開催地でプレーしているというのはそれだけでアドバンテージだ。気候、生活習慣、プレーし慣れたピッチ。もちろんカタールリーグで活躍することが前提だが、ビッグクラブで大スターを押しのけてスタメンを勝ち取る可能性と、カタールで一試合でも多く出場してアピールすること、どちらが代表選出に近いだろうか。4年後の日本代表の顔触れがどうなるかはわからない。だが、W杯目指して再スタートを切る場所としてカタールは決して悪い場所ではない。

  • アル・ドゥハイルというクラブ

先日のアジア杯決勝で日本代表がカタール代表に完敗を喫したが、その試合でオーバーヘッドの先制弾を挙げたアルモエズ・アリ、ボランチのアシム・マディボが所属する。またユベントスに所属していたCB、ベナティアも加入することが決まっている。カタールリーグ2連覇中のクラブで、そのレベルの高さが伺える。

  • レイ・ファリア監督

そして何よりもモウリーニョ氏の片腕だったルイ・ファリア氏がこのクラブで監督としてのキャリアを始めること。

戦術的ピリオダイゼーションを導入し、実質モウリーニョの片腕以上の存在だったのではという話もあるくらいだから、指導者としての期待値は当然高い。

欧州で一流の彼の指導を受ける事は中島にとって大きなプラスになるだけでなく、ファリアの成功次第では彼の懐刀として欧州への道が拓ける可能性もあるのではないだろうか。単純にコネクションができるというだけでも大きい。

以上、あちこちの情報を集めてみたが、ビッグクラブへの移籍の道が断たれた一方で、これだけのメリットが挙げられた。あながち中島の選んだ選択は、本人が語るサッカーを楽しみたいという言葉以上に多くの実利的な判断があったのではないだろうか。いずれにせよ、これらの可能性を生かすには、中島がどれだけこのクラブで活躍し、成長をするかにかかっている。