エウレカセブン ハイエボリューション1を見た。

今日TOKYOMXで放送するのを知らずに昼間、Amazon Primeエウレカセブン・ハイエボリューション1を見てしまった。

公開当時の評判は聞いてたけど、あまり芳しくないのは聞いてた。
buzz-plus.com

↑こういうのは論外。

このタイミングで見るきっかけになったのは以下の記事。

natalie.mu

総集編映画はアニメでは割と普通で、それこそ機動戦士ガンダムTVシリーズを全話見たことがある人より、総集編3部作を見た人の方が多いのではないか。自分の場合京田監督のラーゼフォンを劇場版で見た時に総集編というより一本の映画として見て、かなり良かったと感じていた。で、上の記事でも攻めた感じの編集だったから賛否両論だったという書き方だったので興味が湧いて見ることにした。もともとエウレカセブンはテレビシリーズを一度全話通しで見て劇場版も一回見たくらい。バレエメカニックは何回か見た。続編のAOは見てない。

それで感想としては、ちゃんと良く出来た総集編だったという印象。冒頭30分の新規映像によるサマーオブラブを描いたシーンが良かったのはもちろん、ビームス夫妻の話にフォーカスして前半部を再編集したのも悪くない。総集編で既存映像を再編集して別の話のように変えてしまう、という手法は特に目新しくもトリッキーでもないし、そこに観客が抵抗を感じたという評判が目立ってしまうのは、マーケティングの問題と観客の映像リテラシーの問題だと思う。でもまあ普通のアニメ好き観客にこれを見せて高評価されるかというと難しいと思うけど・・・。

とはいえハイエボリューションの企画自体、どういう経緯で起きたのかわからないので、苦しい中既存映像で乗り切るしかなくて、そこでどう新しく挑戦するかという判断で、その末の結果としてこの完成度という意味なら全然悪くない。PLAYBACK、 PLAY FORWARDを使って時系列を行ったり来たりさせる演出はわかりやすさで言えばわかりにくいし、レントンの回想の演出として効果を上げたかというとそうでもない。でも音楽アルバムのリミックス盤を意識して、テレビ版のエウレカを編集してリミックス盤を流してますよ、という意図の表明なのかなとは思った。それなら第二作とかで劇場版も含めてリミックスして、新規映像を追加してまた編集して、エウレカセブンシリーズ自体をどんどん上書き更新させていこうという試みとして見るなら面白いかな、とも思った。テレビシリーズの単純な総集編というよりもリミックス盤だった、というのが自分の感想。

mantan-web.jp

と思ったら、二作目が割と大幅な新規ストーリーのようで。

一作目がビームス夫妻、二作目がアネモネだと人気エピソードを並べたという印象が強くて、それだとリミックスというよりベスト盤っぽいけど、そうではなくてエヴァQのような新劇場版をやるという事なのか。でも、さっきも書いた通りテレビシリーズの総集編を劇場版として放映してきたアニメ映画の流れの中で、新規映像を追加して話を微妙に変えてしまったり(Zガンダム)、話の大筋をなぞって新規映像作品を作ってる内に全くの新規作品になってしまったり(新劇場版エヴァ)、編集して話のフォーカスポイントを調整して取捨選択を行い一本の映画としてバランスを取ったり(これがオーソドックス)、総集編映画のバリエーションの一つとして新たな作品が加わるのが興味深いのには変わりない。

少なくとも一本のテレビシリーズを完成させて、その思い入れから賛否両論がでるくらいの作品に仕上げた監督の代表作品なんだから、総集編の一本や二本、好きにやらせるくらいの度量が思い入れのある観客の側にあってもいいんじゃないかなと思う。こんなに総集編作品の多いジャンルってなかなかないし、そこにあえて注目して見る方がもっと有意義だと思いますよ。